Jinaの沿革 ⑦ 【元の髪と同じウィッグを】

仕事を続けるモチベーションは人それぞれですが、誰かの役に立てていると実感できることが、一番大きなモチベーションだと感じています。昨日のブログJinaの沿革 ⑥ 【えっ?何がいいの?】で大きく揺らぎ出すきっかけのお話をしました。

他にも…
アートヘアー神戸店の店長として、美容師6人、カウンセラー3人のトップとして、毎月の売り上げ責任を負いながらの日々のなかでこんな電話をいただきました。
「お金はいくらかかってもいいから、うちの孫に、髪が抜ける前と同じ髪型のウィッグを作ってやってください」
祖母様の思いはあっても、本人と親御さんが気に入らないと受注できません。

兵庫医大病院まで伺い、ウィッグのご提案、ご説明、
高校に入学したばかりの可愛らしい女の子 
その時はまだ髪が抜け始めたばかり、元のヘアースタイルの写真を準備してもらい、ベッドのカーテンを閉めて中で頭の型を採りウィッグを準備しました。
住まいが丹波篠山、神戸まで通うのは大変なので2台オーダー
お金はいくらかかってもいい。と言われても一番高額なWigを契約してもらう気にはなれず、それでも2台で120万円。

その時、もしこれが私の娘なら、お金はいいからと120万円を躊躇わずに準備できただろうか?
いくらなんでもやはり高すぎないか?
と思いました。

また別のお客様でも、カウンセリング後、
「できるならここで作ってもらいたい。でも癌になって家族にいっぱい迷惑かけているのに、これ以上の金銭的な負担までは言いにくいです。もう少し安かったら〜」
と寂しそうに俯いて帰られたこともありました。

社長に
「もう少し価格を下げられませんか?」
と話すと
「全国に24店舗、全てが神戸店のように儲かっているわけではないんだよ。僕には200人以上の社員と2万人以上のお客様を守る責任があるんだから、今更価格なんて下げられないよ」
と一蹴されました。
 
※後日談になりますが、責任を口にした社長が、その翌年に19億円の使途不明金を作り、計画倒産をするとは、当時の私には想像もできませんでした。
明日の Jinaの沿革 ⑧ 【喜びと難しさの中で】に続く〜

本文中のお客様では有ません。 医療用全頭ウィッグ着用例

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