自分で納得できる仕事をしたいからと、昨日のブログJinaの沿革 ⑩ 【海外で商談する時は】
では、友人の会社でウィッグの事業部としてスタートをする準備のお話でしたが、渦中の 2004年6月30日
前職のアートヘアー の破産
次々と神戸店のスタッフから電話がかかってきました。
「お客様には連絡したの?」
「2日前に、カルテも帳簿も、全部本社に送るように指示され、手元にないので、お客様に連絡できないんです」
なんということ!
そんな中、大阪店の技術部長だったMさんからも、思いがけず電話がかかってきました。
実は、
「いつか私が会社を作ったら、Mさんみたいな方が来てくれたら嬉しい」
と誠実な仕事ぶりに感動して、話したことがあり、その時は、Mさんも笑って聞き流していました。
「一週間以内に、社宅から出ていくように言われているんです」
と、神奈川から、自宅を引き払って、大阪店に転勤していたMさんにとって寝耳に水の出来事。
その時に、私のことを思い出してくれたようです。
「少し待ってください。心当たりをあたってみます」
と返答し 一緒に事業を進めている友人に電話
「ねぇ、社宅用のマンション持ってたよね」
事情を説明すると、友人も
「わかった。うちの社宅を使ってもらって
次の仕事が始まるまで、うちのサロンを手伝ってもらってもいいし」
と即答
すぐまたMさんに、住宅が確保できた旨を伝えました。
後に、転勤組の人たちの中で、社長について行った人たちは、事前に転居の準備を済ませていたことを知り、Mさんは、とてもショックを受けていました。イエスマンではなかったMさんには、声がかからなかったようです。
お客様は、どれほど困っていらっしゃるだろう?
連絡のできないまま、毎晩眠れない日が続く。
ほとんどが、店長の私を信じて、契約してくれたお客様なのに〜
そんな時、自宅に差出人不明の分厚い封筒が届きました。
なんと!
その中には、顧客名簿をコピーしたものが入っていました。
慌ててコピーしたのか、所々抜け落ちていましたが、おかげで、大半のお客様に連絡できるようになりました。
神戸店のスタッフの誰かが、私がフォローすることを願って起こしてくれた行動に、心から感謝しています。
『すぐに、なんとか安心して通える美容室を探しますので、それまでの間、困ったことがあれば私に連絡してください』
と住所と電話番号を書き添えた手紙を出しました。
「明石さん。ありがとう。神戸店に行ったらいきなり破産の紙が貼ってあって、電話をかけても留守電のままで」
困り果てていたお客様から次々に電話が入りました。
「もう少しお待ちください。なんとか、皆さんが通えるお店を探します。ウィッグは送っていただいたら、こちらでメンテナンスして送り返します」
中国行きの時にお世話になったデーラーの社長に住区ごとの人数を書いた名簿を見せ、
「ウィッグが必要なお客様が、他のお客様の目を気にせずに通えるサロンを紹介してください」
と相談しました。 すると
「明石さん。それなら自分でやれば?」
「えっ? 私、資金がないので無理です」
「居抜きなら大してかからないよ」
資金がなくても可能なビジネスモデルを模索していましたが、
必要に迫られ、サロンを作る方向に話が進んでいきました。
明日のJinaの沿革 12 【サロン開業に向けて】に続く〜