Jinaの沿革 13 【幻に消えた資金援助】

資金提供の申し出を受けられた経緯は昨日のブログJinaの沿革 12 【サロン開業に向けて
で話しましたが、その後、1日も早くお客様に安心して頂ける様に、大急ぎで物件を探し回りました。

三宮から徒歩で7分 エレベーターもついているビルの4階
事務所仕様なので、一から工事は必要だけど ここなら

連絡を入れると
「図面と概要をFaxして」
すぐにFaxすると、しばらくして
「高野山の先生に占ってもらったんだけど、ドアの位置が悪いみたい」
「えっ? ドアの位置ですか?」
「そう。別の物件を探して」
せっかく気に入ったのになぁ
心残りを抱えたまま、また一から探し回りました。

なんとか見つけた次の物件をFaxすると、いきなり連絡が取れなくなりました。
あれ? どうしたんだろう?
海外旅行中??

そんな中でも お客様からの電話はかかってきます。
「その後、どうなったの? やっぱり自分でサロンは難しいでしょ?」
心の中は焦る
ドアの位置が、と言われたけど
あの物件で勝負したい。さて? どうする?

姉が突然、自宅に訪ねてきました。
「春枝ちゃん。これ」
と言って会社を辞めた事を心配して、100万円を差し出し
「ある時払いの催促なし、返すのはいつでも良いから」
離婚して心配をかけてきたのに、サラリーマン家庭で専業主婦の姉が用意してくれた100万円は、きっと簡単なお金ではない。
「大丈夫。私、お金あるから」と言うと
「知ってるから、ただ、これを受け取ってくれないと、私が今晩から寝られへんから」
と言って帰って行きました。

姉の背中を見送りながら、涙が溢れました。
実は、手元に50万円しか残っていなかったのです。

最初に、ここならと思ったあのビルのオーナーに、相談に行きました。
具体的に、どのくらいの費用と時間がかかるのか? 

そのビルのオーナーは、1階で理容サロンを経営していました。
元の会社の倒産で、お客様フォローの為のサロンを、1日も早く出したい、と言う事情を理解し共感してくれました。
「うちに出入りしている業者に内装工事を任せてくれるなら、分割にしてあげるよ いくらなら出せるの?」
「今すぐ出せるのは100万円だけです」
「わかった。急ぐんやろ?すぐに工事始めて良いよ」
もちろん、共感だけではなく、固定客がついているから、なんとかなると考えたのは当然ですが、それにしても、なんの面識もない私に、よくそんな条件を許してくれたと驚きました。
後にスタッフに
「明石さんて、たまたまあの時手持ちがなかっただけで、実家は資産家なんでしょ?」
と話しかけたらしく、
「さぁ? よくわかりません」
ととぼけて答えたと教えられました。
あらら 本当はお金があると勘違いしていたんですね。

参考にと、店舗デザインの本も貸してくれました。
工事業者に意向を話し、個室とスタッフルームを大き目にとり
全体もゆったりした寛げるデザインを選びました。

資金の目処も立たないまま
サロンの開業の歯車は回り出しました。
明日Jinaの沿革 14 【いよいよオープン間近に続く〜






当時このビルの1階は理容サロンで
もう少し綺麗なビルでした。
後にオーナーが変わり、今の状態に

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