Jinaの途上 9 【泣いてください】

Jinaの途上 8 【突然の提案に!】 に戸惑いながら、お客様を巻き込むことだけは避けよう。と決めました。
それでなくても開業前に、元の会社の突然の倒産で、困った経験のあるお客様も多い。
潔く、サロンは任せよう。
そして当初の目標帰り、ウィッグのメーカーとして美容室への営業に力を入れよう。今までのお客様のウィッグの修理やスペアの注文は任せてもらおう。と心の中を無理やり整理して、

翌日から毎日サロンに立って
「この年末でサロンは閉店する事になりました。Aさんたちが新しいサロンを真裏で開業するので、来年からはそちらに行ってあげてください」と頭を下げ続けた。

「えっ?サロンを閉めるんですか?」
戸惑うお客様、中には涙ぐんでくださるお客様にも、無理して笑顔で対応。
「長い間ありがとうございました」
砂を噛むような毎日 

出ていく際のスケルトン費用の相場を尋ねるために、不動産の仕事をしている友人に電話して状況を話すと、帰ってきた言葉が
「そう!良かったやん。思いは色々あると思うけど、それは一旦横に置いて、身軽になってウィッグのメーカーとして頑張れるチャンスやと思うよ。こっちから辞めてもらうとなると、色々大変やけど、勝手に辞めていってくれて良かったやん」
眼から鱗のような言葉に、スッと心が軽くなった。

経営者として見限られた。
ウィッグを扱う仕事の大切さを伝え切れていなかった。
心の中に渦巻く悔しさ、後悔、それらが幾分和らいだ瞬間でした。

宅配便でウィッグのメンテナンスをさせて頂いていたお客様には少し詳しく閉店の説明をしました。
すると、あの福島のお客様が、
「明石さん。明日会いに行きます」
「Aさん、そんなことされたら私泣いてしまう」
泣いてください。私は明石さんのおかげで今生きているんですから」と言って、夜行バスで神戸まで会いに来てくれました。
3ヶ月前にスペアを作って頂いたばかりなのに、
「この機会に、もう1台スペアを作らせていただきます」と言ってくださった上に、

こんな素敵なLINEまで…

最初はクレーマーかも?と心配したあの岩手県の T 様も
「明石さんに会いたいのに、主人が透析しているので…」
と悔しがって泣いてくださったので、その気持ちが嬉しくて、岩手県にこちらから会いに行きました。
すると
「今日は50万円持ってきました。2台作ります。足らない分は明日振り込みます。きっと今はお金が一番必要な時ですよね」
契約用紙も何も持たずに行ったので、ただお金を預かって帰ってきました。
もちろんその後、無事2台納品しました。

もういいかな? 
このまま仕事を続けるのはもう無理かな?
そんな弱気な私の背中を押してくれたのは、お客様でした。

この時発注してくださったスペアウィッグは
後にまた神戸に会いにきてくださり、
親友のお店で納品しました。

明日Jinaの途上 10【半沢直樹?】に続く〜


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