Jinaの途上 9 【泣いてください】 でご紹介したお客様の暖かい応援だけではなく、
娘婿が
「お母さん、もう働かなくてもいいですよ。贅沢はさせてあげられないけど僕たちと一緒に住みましょう」
と言ってくれました。
下の娘も、私1人の給料でママを養えるかなぁと心配していたそうです。
私以上にこの状況を憤ってくれた姉たち、
黙って心配してくれた兄
他にも
神戸の女性経営者の仲間たちが心配して駆けつけてくれました。
大きな挫折となったこの苦境の時期に、寄り添ってくれた温かい思いやりに、心から感謝しています。
ちなみに、四日市に住んでいる息子は、後に
「母さんのことやから、きっと乗り越えると思って心配しなかった」
と薄情極まりない…(笑)
12月29日 全ての営業を終え、独立するスタッフにお祝いを渡すと
「えっ そんな…」
と戸惑う2人
「そんなに大金じゃないから」
とちょっと無理して大きな人間のふりをして、13年間営業したJinaの直営サロンは閉店しました。
娘や娘婿に来てもらい、処分するもの、移動させるものの処理、まだまだ使えるものを二束三文で買い取ってもらったり、お金を払って引き取ってもらったり、ただただゴミとして捨てたり、
「結婚より離婚は大変」とよく言われますが、店も開店より閉店の方が大変。と実感しました。
正月明け、1人でポツンをサロンに戻り、残っていたものを処分、
思えば、このサロンのおかげで、多くのお客様との出会いを重ね、子供たちを育て、大学を卒業させたり、結婚させたり、ボランティアに行けたり、海外旅行にも行けたなぁ。
感謝の思いと一緒に数々の思い出が蘇りました。
床も鏡も全てピカピカに磨いて、「ありがとう」。
最後に確認にきたビルのオーナーが
「明石さん。こんなに綺麗に使ってくれていたんですね。スケルトンの費用は必要ないです。このままでいいです」
と思いもかけない言葉をかけてもらい、余分な出費を減らせました。
来月からの売り上げの見込みが立たない、一体現金はいくら必要か?
金融公庫と信用組合に借入が残っていたので、リスケジュールの相談に行きました。
信用組合では、まるで半沢直樹?と思うような場面にも
「たったこれだけの返済ができませんか?」
「いえ、できないのではなく、今はできるだけ現金を使いたくないので、1年だけリスケして欲しいのです。 もしかしてそういうお願いはうちの担当者さんの顔を潰すことになるのでしょうか?」
「そうですねぇ もう十分潰していますよ」
えっ これドラマ?
今まで一度も返済を遅らせたことはない。それなのに〜
同席していた担当者さんが
「明石さん。支店長の失礼な態度、本当に申し訳ありません」
と、何度も頭を下げて見送ってくれました。
帰ってから、どんなに考えても悔しくて、通常通り返済する旨の連絡を入れました。
二度とこの信用組合でお金なんか借りるものか!
と心に誓いました。
翌日、政策金融公庫に相談に行くと、
「大丈夫です。まず1年お待ちします。その上でまだ厳しいようでしたら再度声をかけてください。頑張ってください」
うん? この対応の違いはなんだろう?
厳しく見下されても、温情を感じても、責任を果たすことに変わりない。
私は見下す人間にはなりたくない。
明日Jinaの途上 11【代弁者になりたい】に続く