円形脱毛症「異常脱毛」について

今日は円形脱毛症について現在の医学的な情報と多くの経験から
わかりやすく話したつもりです。
もし身近に円形脱毛症で悩む方がいらっしゃいましたら参考にしてください。
詳しくは動画の下に書いています。

突然、髪が普段より多く抜けだし、その跡がコインのように丸く見える円形脱毛症。
これは男性に多い加齢による脱毛症とは全く別物です。
女性や小さい子どもさんでも発症します。

むしろ患者さんは男性よりも女性の方がやや多いと言われています。
年齢や性別に関係なく誰でも発症する可能性のある円形脱毛症の原因や対処法などについてお話しします。

ひとくちに円形脱毛症といっても、症状はさまざまで、大まかに

・単発型…脱毛部分が1か所
・多発型…脱毛部分が複数
・全頭型…髪がすべて抜ける
・蛇行型…円形ではなく、髪が細長くうねるような形で抜ける
・汎発型…髪以外にも全身の毛が抜ける

一般的に皆さんが想像する円形脱毛症とは、通常単発型になります。
生え際が薄くなったり、全体の髪が徐々に抜けて薄くなる薄毛とは異なり、
急に抜けて円形状に皮膚が露出したり、元気な髪が急速に抜けたりするのが、
円形脱毛症の大きな特徴です。

円形脱毛症の発症の引き金となる原因は、
はっきりわかっていませんが、近年の研究から自己免疫疾患が関係していると考えられています。

人の体には、「免疫」という体に入ってきた有害な物質を攻撃して排除する機能が備わっていますが、
この免疫機能になんらかの異常が起きると、
無害な自分自身の細胞や組織を異物だと勘違いして攻撃してしまう「自己免疫疾患」を引き起こします。
これにより、毛根を異物だとみなして攻撃。毛根の細胞がダメージを受けて弱まり、
毛髪が抜けてしまうそうです。

ほかにも遺伝、アトピー性疾患(気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎)、
精神的ストレスなどの影響も要因とされていて、
円形脱毛症の主な原因は精神的ストレスと言われてきましたが、関連性は証明されていません。

治療は皮膚科でじっくりと

通常、髪はシャンプー時を中心に、1日50~150本ほど抜けます。
秋には抜け毛の本数が増え、なかには倍増というケースも見られますが、
これは生理現象なので神経質になる必要はありません。
対して円形脱毛症の場合は、季節に関係なく髪がどんどん抜けていき、
やがて地肌が露出してしまいます。また、抜けた毛の多くは、毛根が細く尖っているのが特徴です。

早めに皮膚科や専門医を受診

円形脱毛症に気づいたら早めに病院やクリニックの受診を検討しましょう。
皮膚疾患の一つと考えられるため、皮膚科が専門になります。
髪と爪は構造が似ているため、円形脱毛症患者の爪には、
横筋や小さな凹みが無数にできていることもままあります。
こうした部分をチェックしてみて、「おかしいな」と感じたら皮膚科を受診することが大切です。
治療にはステロイド軟膏を使うことが多いようです。
症状によっては、抗アレルギー薬やステロイドなどを内服薬として飲むほか、
患部に直接注射をする場合もあります。

また、自己免疫疾患の一つに甲状腺の病気があり、円形脱毛症を合併するケースが見られるため、
甲状腺機能の検査を勧められる場合もあります。
どんな治療を行うかは専門医とじっくり話し合って決めていくといいでしょう。

継続的に治療する

髪には生え替わるサイクルがあるため、治療してすぐには変化がないかもしれません。
効果が出ないからと治療を止めずに、継続して続けることが大切です。
脱毛箇所の大きさにもよりますが、最短でも3ヶ月から半年程度は治療に時間がかかると言われています。

ストレスを解消する

円形脱毛症とストレスの関係は解明されていませんが、
過度なストレスにより「自律神経」のバランスが崩れると頭皮の血行が悪くなり、
抜け毛が増える傾向にあります。
毛根には立毛筋がついていて、
この立毛筋とは毛包の最も外側の層である外毛根鞘と真皮とをつなげる平滑筋のことです。
普段の毛髪は立毛筋が緩んでいて斜め45度くらいに傾いています。
もちろん1本1本にそれぞれ立毛筋がくっついています。

立毛筋が収縮すると毛は垂直方向に立って毛穴の周囲は少し隆起します。
これがいわゆる鳥肌やさぶイボと呼ばれるもので頭髪にも同じようにあります。
アドレナリンにより交感神経が興奮すると立毛筋が収縮します。
交感神経とは自律神経の一種で興奮したり緊張したりすると働く神経です。

そのため恐怖や驚き、寒さによるストレス、発熱による悪寒戦慄により収縮して鳥肌になリマす。
怒髪天をつく、という言葉や、毛が逆立つなどと言うのは髪が立毛筋により垂直にたった状態を指しています。

ストレスを感じているようなら、ストレス発散方法を見つけてみましょう。
適度な運動や没頭できる趣味はストレス発散につながります。
また、円形脱毛症を発症していること自体が精神的ストレスになっている場合もあります。
医師に相談するとそのストレスを緩和できる場合もあるので、
気になって仕事や勉強などに支障が出ている時は早めに病院やクリニックを受診しましょう。

もし親身に寄り添ってくださる医師に出会えなかったら、病院を変えてください。

生活習慣の改善

病院への受診とあわせて日々の生活習慣の改善も心がけたいですね。
生活習慣が乱れると自律神経のバランスも崩れ、
睡眠時間を取れず疲労回復が見込めないと心身ともにストレスがかかります。
生活習慣が乱れていると感じる人は規則正しい生活を心がけましょう。

円形脱毛症は急速に進行することがあります。
軽度の円形脱毛症は自然治癒するケースも珍しくないですが、適切な初期治療を受けることで
多発性円形脱毛症や全頭円形脱毛症につながる可能性を減らせます。
また、シャンプー時に髪が抜けることを気にして、シャンプーを控えると頭皮の状態が悪くなり、
円形脱毛症の悪化にもつながりかねません。
シャンプーは、地肌にも髪にも優しいアミノ酸系を選んでください。
そして自己判断は避けて専門医に相談しましょう。

脱毛部分の上手な隠し方

突然、髪が抜けるとショックは大きいものです。
落ち込むのは当然ですが、学校や仕事など外に出る機会をなかなか減らせない人も多いでしょう。
脱毛部分を見られてしまう不安やストレスを少しでも軽減できるよう、ここでは上手に隠せる方法を紹介します。

自分の髪でヘアアレンジ、ヘアバンド、お帽子

まずは自分の髪を使ってヘアアレンジをしてみましょう。
脱毛部分をうまく隠せるハーフアップにしたりお団子ヘアーにしたり、
お洒落な布製の幅が広いヘアーバンドやベレー帽をうまく取り入れてお洒落を楽しんだり、
ときにはスカーフなども上手に活用してください。
それでも隠せなくなったときはウィッグを活用してください。

ウィッグ

医療用のウィッグも種類が豊富にあります。
ほとんどの場合、部分ウィッグでも髪全体の8割くらいは隠せますし、
万が一全体に脱毛が広がったときには全部かぶるタイプのWigもあります。
ナチュラルな仕上がりの通気性の良い人毛ウィッグで人の目を気にせずに過ごせることでストレスが減ると良いですね。

おわりに

円形脱毛症は強い痛みやかゆみを伴わないため、シャンプー時の手触りでぎょっとしたり、
美容室などで指摘されたりして、初めて脱毛に気づくケースも多いようです。
人によっては再発を繰り返すこともあり、精神的な負担はとても大きいと思います。
病院やクリニックを早めに受診して治療を行い、
日々の生活ではウィッグなどで患部を上手にカバーしながら、焦らず症状と向き合ってくださいね。

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